こだわりアカデミー
独自のテクニックを用いて、 ブラジルの岩塊から世界最古のウミガメ発見!
カメの化石から恐竜の生態もわかる
早稲田大学国際教養学部教授
平山 廉 氏
ひやらま れん

1956年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、京都大学大学院地球科学研究科で古脊椎動物学を専攻し、化石爬虫類、とくにカメ類の系統進化を研究。帝京技術科学大学講師、帝京平成大学助教授、早稲田大学国際教養学部助教授を経て、2006年より現職。古生物学者。理学博士。生命の歴史学を担当するほか、講演や発掘調査など全国で幅広く活動している。著書に『最新恐竜学』(平凡社新書)、『痛快!恐竜学』(集英社インターナショナル)、『カメのきた道』(NHK出版)など。
2015年1月号掲載
平山 石の種類にもよりますが、ギ酸や酢酸を薄めたものに浸して、石を少しずつ溶かしていきます。1日浸した後、さらに1日流水で流して乾燥させると岩から骨が少しずつ出てくる。それを薬品や接着剤を用いて強化します。1回の処理で出てくる骨は1〜2�伉�度なので、延々とこの作業を繰り返します。
──気の遠くなるほど地道な作業ですね。
平山 はい。でも実は、そのテクニックを日本で取り入れたのはおそらく私が最初です。海外ではそうした方法があると知られていましたが、私が大学院生だった当時は、日本で化石研究といえば石の表面を眺めているしかありませんでした。指導教官から預かったカメの化石も最初は石の中に入っていて、見たら薬品で溶けそうな石だなと。
──溶かしてみたくなったわけですね(笑)。
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| 守りを固めるカメの究極の進化ともいえるハコガメの化石。甲羅が蝶番で開閉できるようになっている |
平山 はい。中の化石をどうしても見たかったので「ぜひやらしてください」と、半年かかって全部取り出しました。今はCTスキャンという技術も使われますが、画像処理の段階でどうしても人間の解釈が入ってしまう。だから今でも私は実物が一番説得力があると思っています。
──先生が薬品を使う方法を導入したおかげで、きっといろいろな発見につながったのでしょうね。先生ご自身が今までに見つけたカメの化石で一番の大物は?
平山 世界最古、白亜紀前期の新種のウミガメ「サンタナケリス」です。イギリスの科学雑誌『ネイチャー』にも論文が掲載されました。恐竜でも人類でもなく、カメで『ネイチャー』に載ることができるなんて、非常に光栄なことだと思っています。
──それはすごい! 具体的にはどういった発見だったのですか?
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| 『カメのきた道』(NHK出版) |
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