こだわりアカデミー

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本対談記事は、アットホーム(株)が全国の加盟不動産会社に向け発行している機関紙「at home time」に毎号掲載の同名コーナーの中から抜粋して公開しています。宇宙科学から遺伝子学、生物学、哲学、心理学、歴史学、文学、果ては環境問題 etc.まで、さまざまな学術分野の第一人者が語る最先端トピックや研究裏話あれこれ・・・。お忙しい毎日とは思いますが、たまにはお仕事・勉学を離れ、この「こだわりアカデミー」にお立ち寄り下さい。インタビュアーはアットホーム社長・松村文衞。1990年から毎月1回のペースでインタビューを続けています。
聞き手:アットホーム株式会社 代表取締役 松村文衞
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国立大に「忍者学」が!! 忍者の実態や歴史を探り、 優れた知恵を現代に生かす!

本物の忍者は黒装束ではなかった!

三重大学人文学部教授

山田 雄司 氏

やまだ ゆうじ

山田 雄司

1967年静岡県生まれ。京都大学文学部卒業、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻(日本文化研究学際カリキュラム)修了。日本学術振興会特別研究員。1999年三重大学人文学部講師に就任、2011年より現職の三重大学人文学部教授に就任。著書に『怨霊・怪異・伊勢神宮』(思文閣出版)、『忍者文芸研究読本』(編著・笠間書院)、伊賀忍者研究会編『忍者の教科書 新萬川集海1・2』(監修、笠間書院)など。

2015年10月号掲載


山田 外国で忍術を広めている方の活動や漫画やアニメの影響などから、「ninja」に超人的なイメージを持っている人が多いようです。忍術は、本来のイメージとは違うのですが、格闘技の一つとして人気がありますし、忍者の文化や歴史などについて詳しく知りたいという方々もけっこういますね。

──スーパーヒーローとしての忍者のイメージも夢とロマンがあっていいですが、ぜひ先生に本物の忍者・忍術も広めていただきたいですね。

山田 はい。また、今後はこれまでに築いた外国の先生方とのネットワークで、日本での国際シンポジウム開催なども考えています。加えて、10月に外国人観光客への情報発信を目的とした日本忍者協議会が設立され、来年には忍者に関する展覧会が予定されているなど、伊賀の周辺では観光やエンターテイメントの分野でも、忍者に関するさまざまな取組みが始まっています。そうした活動にも関わりながら、忍者文化をさらに幅広く広めていきたいです。

──どんどん活動の幅が広がりますね。学問としての忍者研究第一忍者として、ますますのご活躍を願っております。
本日はありがとうございました。

7月にフランスのパリで開催された「忍者文化研究プロジェクト レクチャー・デモンストレーション2015」でのひとコマ。三重大学社会連携特任教授の川上仁一氏が忍者の歩き方(写真左)、縄抜けや細い場所を通るための肩の関節はずし(写真右)などを実演〈写真提供:山田雄司氏〉

 


近著紹介
『忍者の教科書 新萬川集海』(笠間書院)
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