こだわりアカデミー
人間よりはるか以前から、農業、牧畜、奴隷制度etc…
人間以上にスゴイ! 昆虫の生態
九州大学総合研究博物館助教
丸山 宗利 氏
まるやま むねとし
1974年生まれ 東京都出身。2003年、北海道大学大学院農学研究科博士課程を修了。その後、国立科学博物館、フィールド自然史博物館(アメリカ・シカゴ)研究員を経て、08年より現職。日本一と言われる約400万もの昆虫の標本を管理する傍ら、自ら世界各地を飛び回り、珍しい昆虫を収集。専門分野はアリと共生する昆虫のほか、体長数ミリ、頭に大きな突起がついた昆虫ツノゼミの研究にも力を入れている。著書に『ツノゼミ ありえない虫』(幻冬舎)、『昆虫はすごい』(光文社)、『アリのくらしに大接近』(あかね書房)、『きらめく甲虫』(幻冬舎)など。
2015年8月号掲載
丸山 まず昆虫のいそうな場所を考えることです。
──昆虫のいそうな場所というと?
プラチナコガネ(左上)やタマムシ(左から2番目)など、甲虫にはきれいな色をした種も多い〈写真提供:丸山宗利氏、著書『きらめく甲虫』(幻冬舎)より〉
丸山 例えばクモは昆虫の通り道をよく知っていますから、クモの巣が多いところなんかは狙い目です。手っ取り早いのは、光に寄って来る昆虫を探すことでしょうね。例えばキャンプ場に行った際などに、夜に自動販売機を見回ると意外とコガネムシやガなど、多くの虫が集っていたり…。黒くなったバナナを出汁パックなどに入れて木にぶら下げておくと、いろいろ集ってきますよ。
それに、昆虫を探す場合は、「これを探そう」と絞るのが大事ですね。不思議なことに、探すものを絞って目を凝らすと、遠目でも目的のものが見えてくるものなんです。でも、いるかと思っていた予想が外れることもある。そこがまた面白い。
──昆虫をひとくくりに害虫のように嫌う人もいますが、よく見ると、羽などが美しい色や模様になっているものもあります。昆虫観察って面白いですよね。
丸山 その「よく見ること」が大事ですね。やっぱり昆虫探しの原点は、目で探して観察することですから。じっくり観察すればいろいろな気付きがあるはずです。
──夏休みはいい機会ですから、子供たちには、ぜひたくさんの昆虫を見てもらいたいですね。
本日はどうもありがとうございました。
『昆虫はすごい』(光文社) |
『きらめく甲虫』(写真集・幻冬舎) |
『アリの巣のお客さん』(子供向け写真絵本・あかね書房) |
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