こだわりアカデミー

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本対談記事は、アットホーム(株)が全国の加盟不動産会社に向け発行している機関紙「at home time」に毎号掲載の同名コーナーの中から抜粋して公開しています。宇宙科学から遺伝子学、生物学、哲学、心理学、歴史学、文学、果ては環境問題 etc.まで、さまざまな学術分野の第一人者が語る最先端トピックや研究裏話あれこれ・・・。お忙しい毎日とは思いますが、たまにはお仕事・勉学を離れ、この「こだわりアカデミー」にお立ち寄り下さい。インタビュアーはアットホーム社長・松村文衞。1990年から毎月1回のペースでインタビューを続けています。
聞き手:アットホーム株式会社 代表取締役 松村文衞
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赤ワインに含まれるポリフェノールは 悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を予防します。

体に効く赤ワイン

お茶の水女子大学生活環境研究センター教授

近藤 和雄 氏

こんどう かずお

近藤 和雄

1949年東京生れ。79年東京慈恵会医科大学卒業後、メルボルンのベイカー医学研究所へ留学。東京慈恵会医科大学青戸病院助手、防衛医科大学校講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養部室長を経て、現職に。医学博士。日本動脈硬化学会評議員。著書に『赤ワイン健康法』(95年、ごま書房、共著)、『からだに効く赤ワインの条件』(98年、講談社−写真−)、『中性脂肪を減らす食事』(2000年、成美堂出版、共著)など。

2001年2月号掲載


低カロリーで抗酸化物の多い日本食を食べよう

──先生のお立場からわれわれに、健康な生活を送るに当っての心掛けなど、何かアドバイスはありますか?

近藤 抗酸化物はいろんな食物に入っているので、できるだけ多くの種類を摂っていただきたいですね。また併せて、日本食を改めて見直してもらいたい。というのは、大豆を中心とした多くの野菜をうまく使っているからです。さらに、副菜の中にはカロリーをカウントしなくても良いものがある上、多種の食物を用いるので、抗酸化物を多く摂取しやすいのです。

──これからのご研究のテーマは?

近藤 まだポリフェノールの測定技術が確立していません。赤ワインにしても、どのポリフェノールがどれくらい入っているのか、きちんと分らないのです。ですから、どれだけ摂取すれば、LDLが酸化せずに私達が健康な生活を送れるのか、それをはっきりさせたいですね。

また、食物には1つの成分だけでなく、多くのものが含まれています。これからは、それら成分の相互効果、効能についても、研究をしていきたいと思っています。

──私達は、「健康に良い」と聞くと、なんでもすぐに飛び付いて、たくさん摂取しようとする傾向にあります。確かに、それはそれで良いことですが、「過ぎたるは及ばざるが如し」で、効果的な摂取を考えるべきですね。東洋の漢方薬のように、混ぜ合せることで効果を発揮するものもあるわけですから。

先生のお話を伺って、非常に勉強になりました。これからのご研究の成果を期待しております。

本日は、ありがとうございました。

※表は近藤氏の著書『からだに効く赤ワインの条件』より抜粋し、編集部にて改変


近著紹介
『からだに効く赤ワインの条件』(講談社)
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